第81回、センバツ高校野球・長崎・清峰高校、初優勝。ばんざぁい \(^o^)/

昨日(4月2日・木曜日)、第81回選抜高等学校野球選手権大会の決勝戦が、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、3年ぶり2回目出場の長崎・清峰高校が、岩手・花巻東を1−0で下し、初の優勝旗を手にしました。

今大会は、直前にWBCと日程が重なった関係で、やや全体的に盛り上がりにかけた印象がありましたが、その試合内容は、開幕試合からサヨナラあり延長ありの好ゲームが多く、WBCに負けず劣らずの素晴らしい試合ばかりでした。

今大会の特徴としては、好投手が多く、試合時間も2時間を切るスピード試合が目立ちました。
この中では、延長戦を戦いながら、惜しくも敗れ去ったチームにも、素晴らしい投手がいました。
そのうち、沖縄から26年ぶりの出場の興南・島袋投手は、延長12回を投げて毎回の19奪三振を記録。
また、大阪・PL学園の中野投手は、2回戦の9回表まで僅か1死球の、まさに「ノーヒットノーラン」の投球を見せました。他にも、富山商・村上投手、習志野・山田投手、南陽工・岩本投手など、今年の夏に期待する投手もたくさん見る事が出来たように思えます。

打者では、報徳学園の平本選手が記録ずくめの大活躍でした。
その報徳学園に準々決勝で惜しくも逆転で敗れた、中京大中京の堂林投手は、投手としても活躍しました。

あと、古豪の復活もありました。
準々決勝に27年ぶり進出の箕島(和歌山)・炎のストッパーとして、プロ野球セントラルリーグ広島東洋カープで抑えの切り札として活躍した故・津田恒実投手を擁して以来、31年ぶり進出の南陽工(山口)の戦い方は見事でした。平成5年、脳腫瘍で惜しくも32歳の若さで夭逝した津田選手が残した、「弱気は最大の敵」の精神は、今回後輩達がしっかりと受け継いでくれました。
また、33年ぶりの勝利を飾った習志野(千葉)や39年ぶりの勝利を飾った富山商(富山)も同様です。

それと、今大会は初出場組と東北勢の活躍が象徴的でした。
初出場6校のうち、花巻東(岩手)・開星(島根)・福知山成美(京都)・利府(宮城)の4校はセンバツ初出場で初勝利をあげました。

そのうち、利府(宮城)は21世紀枠出場校として、8年前の2001年(平成13年)第73回大会の宜野座(沖縄)以来のベスト4進出を果たしました。準決勝で惜しくも同じ東北勢の花巻東に敗れたとはいえ、伸び伸び野球のイメージが強かったですね。その宮城県は東北・仙台育英の私学2強時代が長い地域の為、この夏の地方大会は大変な激戦となるやも知れませんが、是非夏に帰って来てほしいチームです。(^-^*)(..*)ウンウン

そして、岩手県勢として初の決勝戦に進出した花巻東は、菊池投手の投打に渡る「気迫」で、チームをまとめた感があります。特に、準々決勝、準決勝は、中盤から終盤に逆転する最後まで諦めない姿勢が素晴らしかったです。
昨日の決勝戦も、9回裏2死2塁まで相手の好投手である清峰・今村投手を最後まで苦しめました。その点ではチームの持ち味を最後まで如何なく発揮してくれました。
勝戦終了後、エースとして投打に活躍した、菊池投手は泣き崩れてしまいました。その悔しい気持ちは、それだけこの試合に自分の持てる力を全て出し切った結果だったのでしょう。ただ、彼にはまだ「夏」があります。成し遂げられなかった悔しさを、夏の全国大会にぶつけて、また甲子園に帰って来てほしいです。
残念ながら、東北勢、春・夏通じて悲願の「初優勝」は、今回惜しくも逃しましたが、これだけの活躍を魅せてくれた東北勢の「全国制覇」は、そう遠くはないと思います。

今大会、優勝を成し遂げた清峰高校は、長崎県の北部にある北松浦郡佐々(さざ)町という、人口1万3千人余りのかつて炭鉱で栄えた小さな町にある公立(県立)高校です。以前は、長崎県立北松南(ほくしょうみなみ)高校という校名でしたが、2003年(平成15年)に、学科再編を機に、今の校名となったそうです。

前回出場時の3年前2006年(平成18年)の第78回大会、有迫投手を擁して初出場で初優勝を挑んだ決勝戦、甲子園の強豪、横浜(神奈川)に0−21という屈辱的な大敗を喫し、その経験を元に、それまで「打力」重視のチームカラーから「投手・守備」主体のチームカラーに生まれ変わりました。

今回の決勝戦まで、エース今村投手の自責点は準決勝の報徳学園戦での僅か1失点のみという、記録的な快投です。
彼の持ち味は、ランナーを置いてからの粘りの投球術です。花巻東の菊池投手も同様のタイプですが、彼は「豪腕」で、力でグイグイ押すタイプであるのと違い、今村投手の場合は、コースを丹念に突き相手の打ち気をうまくそらす、頭脳的なピッチングです。夏は、この今村投手に対して、かなり「研究」される可能性が高いのですが、また、夏にも、その勇姿を再び見せてほしいと思います。

清峰は、長崎県勢として、春・夏通じて初の優勝です。
九州・沖縄勢では、昨年(2008年・平成20年)の第80回記念大会で、センバツ2度目の優勝を飾った沖縄尚学(沖縄)に続いて、2年連続の快挙となります。

今回、地元鹿児島からは、4年ぶり2回目の神村学園が出場しました。その4年前は、初出場で準優勝を成し遂げました。当時男子硬式野球部が創部2年半での快挙に、地元では驚きの印象が強かった事を覚えております。今回は初日の第二試合で、愛知の中京大中京に終盤まで互角に攻めながら、終盤に点差を広げられ、1−5で敗れてしまいました。

この同時期、地元では春の九州高校野球の県大会が行われています。もうすでに「夏」に向けての戦いが始まっているのです。このセンバツに出場した学校が、「夏」の選手権大会に再び戻って来れる保障はありません。
夏の地方予選は、後2ヵ月後に沖縄と北海道で始まるのです。


まずは、この決勝戦を戦い抜いた両校の選手にお疲れ様と言いたいです。
そして、おめでとう、最後に勇気と感動をありがとう・・・・と。